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いにしへのしづのをだまき繰りかへし
昔を今になすよしもがな

歌の意味
昔の織物の糸をつむいで巻き取った糸玉から糸を繰り出すように過去を今にしたいものだ
鑑賞
三十二 しづのをだまき

ある男が昔、親しく語りあった女に、詠んだ歌。
男は過ぎた日の楽しかった思い出を懐かしみ、心のゆらぎのままに誘いかけたが、女は何の返事もしなかった。
返事がなかったのは女の現実性と男の過去に対する未練の対比をあらわしているのか。

この歌は初句を「しづやしづ」と換えて静御前が頼朝の前で舞いうたった義経を偲んだ白拍子で有名である。
作者
出典
伊勢物語

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