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たれこめて春のゆくへもしらぬまに
まちし桜もうつろひにけり

歌の意味
家の中にこもっていて春が過ぎてゆくのも知らない間に、心待ちにしていた桜の花も、散ってしまった。
鑑賞
巻第二 春歌下

 病気を患ったときに風にあたるまいと、簾(すだれ)をさげて引きこもっていた間に、折り取った桜の花が散りそうになったのを見て詠んだ歌。

 桜の花が咲くのを見ることが作者にとって楽しみにしていたのだろう。部屋にある一枝の桜を見て、咲き誇る桜を見れずに散っていくことを知る作者の残念に思う心情を察することができる。
作者
藤原よるかの朝臣
出典
古今和歌集

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