消えてしまいそうな白露は、消えてしまうならば消えてしまってほしい。消えなかったとしても飾りの玉として紐を通す人もいないでしょう。
あなたのことを考えながら物寂しく思い耽って眺めていると、長雨をしのぐほど涙が河となって流れる。袖がぬれるばかりで、あなたに逢うすべもない。
私があなたを思うあまり、私の体をぬけ出してあなたの所へ行った魂があるのだろう。深夜の夢に見えたなら私の魂を結びとめるおまじないをして下さい。
人から恋をされると下袴の紐がとけると言うが私の下紐は解けないから、あなたは自分が語るような恋はしていないにちがいない。