あなたに対して親しい気持ちを持っていると、あなたは知らないだろうがこの海岸に白浪が寄せ神社に垣根がめぐらされた遠い昔から、みかどの御世を祝福しはじめていた。
つる草は多くの木にはいまつわるが、かづらのように通う女のところが多くなっているので、私のことを絶えず気にかけてくれる気持ちを聞いても一向に嬉しくない。
鶯(うぐいす)が花をぬって作るという梅の花笠はいりません。あなたの思いをつけてください。火で濡れた着物を乾かして感謝の思いを返しましょう。
荒れ果てた草深い野となるなら私は悲しい顔をして鶉(うずら)になって鳴いているでしょう。そうすればあなたは狩りにだけでも来てくださるでしょうか。
死ぬというのは人間最後には行く道と前々から聞いていたが、それはずっと先のことで昨日、今日というさしせまったこととは思わなかった。