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表題
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竹取物語
白山にあへば光も失するかと
鉢を捨てても頼まるるかな
歌の意味
白山のような真っ白いあなたの前では光も消え失せるのかと、鉢を捨て恥を忘れてなおも、期待が寄せられることです。
鑑賞
かぐや姫の「置く露の光をだにぞ宿さましをぐらの山にて何もとめけん」に対する石作皇子の返歌。
白山は小倉山に対して白山と言い、暗にかぐや姫の美貌に喩えている。
求婚の条件、仏の御石の鉢を偽者と見抜かれた皇子は鉢を捨ててこの歌を詠んだが、かぐや姫は皇子の期待に応えるはずもなかった。
作者
出典
竹取物語
その他の歌
海山の道に心をつくし果てないしの鉢のなみだ流れき
置く露の光をだにぞ宿さましをぐらの山にて何もとめけん
いたづらに身はなしつとも玉の枝を手折らで更に帰らざらまし
限りなき思ひに焼けぬ皮衣袂かはきて今日こそは着め