古今和歌集
醍醐天皇の勅命により『万葉集』に選ばれなかった古い時代の歌から撰者たちの時代までの和歌を撰んで編纂し、奏上された。撰者は紀貫之、紀友則(編纂途上で没)、壬生忠岑、凡河内躬恒の4人。
伊勢物語
平安時代初期に成立した歌物語。『在五が物語』、『在五中将物語』、『在五中将の日記』とも呼ばれる。作者は未詳。全125段からなり、ある男の元服から死にいたるまでを仮名の文と歌で作った章段を連ねることによって描く。歌人在原業平の和歌を多く採録し、主人公を業平の異名で呼んだりしているところから、主人公には業平の面影がある。「いろごのみ」の理想形を書いたものとして、『源氏物語』など後代の物語文学や、和歌に大きな影響を与えた。
大和物語
平安時代前期から中期にかけて成立した歌物語である。成立は10世紀後半頃とされ、作者は明らかでない。宮廷や貴族社会の男女の恋愛、人間関係を中心に、和歌とそれにまつわる説話を収録する。『伊勢物語』の影響を受けつつ、実在の人物を思わせる物語も多く、当時の貴族社会や恋愛観を知る上でも重要な作品である。
平家物語
平安時代末期の平氏一門の栄華と没落を描いた軍記物語である。源平の争乱を背景に、平清盛を中心とする平氏の繁栄から、壇ノ浦の戦いでの滅亡までを描く。「祇園精舎の鐘の声」に象徴される無常観を基調とし、武士たちの勇猛さや人々の悲哀を生き生きと伝える、日本を代表する古典文学である。
十六夜日記
鎌倉時代後期に阿仏尼が記した紀行・日記文学である。夫・藤原為家の死後、所領相続をめぐる訴訟のため、京都から鎌倉へ向かった旅を中心に描く。旅の様子や鎌倉での生活に加え、折々の心情を和歌を交えて綴っており、当時の女性の生き方や社会の様子を知る上でも貴重な作品である。