古典和歌stream
表題
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伊勢物語
秋の野に笹わけし朝の袖よりも
逢はでぬる夜ぞひぢまさりける
歌の意味
秋の早朝の野原で露に濡れた笹を分けた袖よりも、あなたに逢はないで一人寝をする夜の方がずっと涙で袖が濡れる。
鑑賞
二十五 秋の野に 逢うとはいわないが逢わないとも言わない女で、はっきりと返事をせずに男をじらすだけあって、魅力のある人の所に男が歌を送った。 この歌は業平の歌として『古今集』に収められている。
出典
伊勢物語
その他の歌
梓弓引けど引かねど昔より 心は君によりにしものを
あひ思はで離れぬる人をとどめかね わが身は今ぞ消えはてぬる
みるめなきわがみをうらと知らねばや かれなで海人の足たゆくくる
思ほえず袖にみなとのさわぐかな もろこし船のよりしばかりに