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殿守のとものみやつこよそにして
はらはぬ庭に花ぞ散りしく

歌の意味
主殿寮の役人たちが、蔑ろにして掃除をしない御所の庭に、落ちた花が一面に散っている。
鑑賞
第二十七段 御国ゆずりの節会『拾遺集』の「殿守のとものみやつこ心あらば春ばかり朝ぎよめすな」(源公忠)を本歌とする。新院の鬱情と、落花にことよせる感情を伝える作品である。庭は花園上皇の御所土御門殿のそれをさす。「殿守のとものみやつこ」は、主殿寮の掃除などに従事する下級役人をさす歌語的表現。
作者
吉田兼好(卜部兼好、兼好法師)
出典
徒然草

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