古典和歌stream
表題
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徒然草
むかし見し妹が垣根は荒れにけり
茅花まじりの菫のみして
歌の意味
昔通った恋人の家の垣根は、いまやすっかり荒れ果ててしまった。茅花にまじったスミレが点々と咲いている。
鑑賞
第二十六段 風も吹きあへずうつろう人の 『堀川百首』春の部の歌よりの引用。
題は「菫菜」で作者は藤原公実。
『家持集』の「つばなぬく浅茅が原のつぼすみれいまはさかりにしげるわが恋」を本歌とする。
作者
吉田兼好(卜部兼好、兼好法師)
出典
徒然草
その他の歌
春霞たてるやいづこみよしののよしのの山に雪はふりつつ
雪の内に春はきにけりうぐひすのこほれる涙今やとくらむ
殿守のとものみやつこよそにしてはらはぬ庭に花ぞ散りしく
ふたつ文字牛の角文字すぐな文字ゆがみ文字とぞ君は覚ゆる