古典和歌stream
表題
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古今和歌集
春霞たてるやいづこみよしのの
よしのの山に雪はふりつつ
歌の意味
もう春にはなったが、いったい春霞のたちこめている所はどこにあるだろうか。この吉野の里の吉野山はまだ雪が降っていて、いっこうに春めいてもこない。
鑑賞
巻第一 春歌上 立春とは名のみで、まだ雪が降る山里に住む人々が花咲く春の訪れを待ちのぞむ気持ちをあらわしている。 吉野は春になれば桜の花がいっせいに咲く里である。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
としのうちに春はきにけりひととせをこぞとやいはむことしとやいはむ
袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらん
雪の内に春はきにけりうぐひすのこほれる涙今やとくらむ
むかし見し妹が垣根は荒れにけり茅花まじりの菫のみして