古典和歌stream
表題
-
伊勢物語
みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに
みだれそめにし我ならなくに
歌の意味
陸奥の国の信夫の里のしのぶ草のもじり染めの模様は乱れに乱れている。その模様がさながらに私の心は乱れ初めてしまったのは、あなた以外の誰のせいでもないのに。
鑑賞
一 しのぶのみだれ
「春日野の若紫のすり衣しのぶのみだれかぎり知られず」と同様に恋しく思うあまり心が平常でいられない気持ちをしのぶ摺りの模様にかけて詠まれた歌である。
作中で上記の「春日野の・・・」の歌と昔の人が詠んだ同じ趣の歌として登場する。
作者
出典
伊勢物語
その他の歌
見る人もなき山ざとのさくら花ほかのちりなむのちぞさかまし
春日野の若紫のすり衣しのぶのみだれかぎり知られず
起きもせず寝もせで夜をあかしては春のものとてながめくらしつ
思ひあらば葎の宿に寝もしなむひじきものには袖をしつつも