古典和歌stream
表題
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伊勢物語
我ばかり物思う人は又もあらじと
思へば水の下にもありけり
歌の意味
私くらい物思いをする人はほかにいないだろうと思ったが、たらいの水面の下にもいた。
鑑賞
二十七 我ばかり ある男が女のところに一晩泊まりに行って、二度と行かなくなってしまった。 歌は女が手を洗う所で、盥(たらい)の水面に映る自分を見て詠んだ。
出典
伊勢物語
その他の歌
みるめなきわがみをうらと知らねばや かれなで海人の足たゆくくる
思ほえず袖にみなとのさわぐかな もろこし船のよりしばかりに
水口に我や見ゆらむかはづさへ 水の下にて諸声になく
などてかくあふごかたみになりにけむ 水もらさじとむすびしものを