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などてかくあふごかたみになりにけむ
水もらさじとむすびしものを

歌の意味
どうしてこのように逢う時が得がたくなってしまったのだろうか。水の漏れるすきまもないように固く契りを結んでいたものを
鑑賞
二十八 などてかく

色好みの女が、夫の家を出て他の男のところへいってしまった。
歌は夫であった男が詠んだ。

「あふご」は逢う時の意味と物を担ぐ棒、天秤棒をかける。
「かたみ」は難み、むずかしいの意味と、竹かごと肩身をかける。
「むすびし」は契りを結ぶ意味と水を掬ぶ(むすぶ。水を手ですくい上げる)をかける。
掛詞を多くつかった歌である。
作者
出典
伊勢物語

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