- 歌の意味
- 男が残していった形見こそ今は恨めしいものです。これさえ無ければあの男を忘れる時もあるだろうに。
- 鑑賞
- 百十九 形見こそ
ある女がいた。浮気な男が自分を思い出すよすがにしてくれと言って形見を残していった。
歌は女が形見を見て詠んだ。
男への恨みをわすれられない女の心の苦しみが詠まれている。形見とは男が他の女の所へ移って行くときに残したのだろう。
女は形見があることで忘れ去れないと嘆いているのか、あるいは男を憎んでいるのだろうか。
この歌は『古今集』恋四に読人しらずの歌として収録されている。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語