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表題
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伊勢物語
玉かづらはふ木あまたになりぬれば
絶えぬ心のうれしげもなし
歌の意味
つる草は多くの木にはいまつわるが、かづらのように通う女のところが多くなっているので、私のことを絶えず気にかけてくれる気持ちを聞いても一向に嬉しくない。
鑑賞
百十八 玉かづら
ある男が女の所へ長い間、訪れもしなかった。ある時に「あなたを忘れる気持ちはまったくない。今度、うかがいた。」と女に言った。
歌は男の言葉をうけて女が詠んだ。
男が多くの女性を相手にすることが許された時代でも、気の多い男は女として許せなかったのだろう。
作者
出典
伊勢物語
その他の歌
我見ても久しくなりぬ住吉の岸の姫松いくよへぬらむ
むつましと君は白浪瑞垣の久しき世よりいはひそめてき
形見こそ今はあたなれこれなくは忘るる時もあらましものを
近江なる筑摩の祭とくせなむつれなき人の鍋の数見む