古典和歌stream
表題
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古今和歌集
いその神ふるき宮この郭公
声許こそむかしなりけれ
歌の意味
昔の都である石上(いそのかみ)で鳴くほととぎすの声だけが昔のままだ。
鑑賞
巻第三 夏歌
奈良の石上寺(いそのかみでら)で、ほととぎすが鳴くのを詠んだ。
旧都奈良は変わり果ててしまったが、ほととぎすの鳴き声だけが昔と変わらないと詠んでいる。
作者は遷都前の奈良を訪れた事があるように詠まれているが、歌が詠まれたのは平安京に移ってから百年後で、昔を懐かしむような趣で詠んだのだろう。
いその神でらは現在の天理市の良因院のこと。
作者
素性法師
出典
古今和歌集
その他の歌
おとは山けさこえくれば郭公こずゑはるかに今ぞなくなる
郭公はつこゑきけばあぢきなくぬしさだまらぬこひせらるはた
夏山になく郭公心あらば物思ふ我に声なきかせそ
郭公なくこゑきけばわかれにしふるさとさへぞこひしかりける