古典和歌stream
表題
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古今和歌集
待つ人にあらぬ物から初雁の
今朝鳴くこゑのめづらしき哉
歌の意味
私が待っている人からではないけれど、今朝はじめて鳴いた雁の声はすばらしく心ひかれることだ。
鑑賞
巻第四 秋歌上
はじめて来た雁を詠んだ歌。
秋になると北方から飛来する雁は蘓武の故事から、手紙を携えて来るものとされた。便りを待つ作者にとって、雁の鳴き声がいつもと違う聞こえ方で新鮮な喜びを感じている。
作者
在原元方
出典
古今和歌集
その他の歌
ひぐらしの鳴きつるなべに日はくれぬと思ふは山の影にぞありける
ひぐらしの鳴く山里のゆふぐれは風よりほかにとふ人もなし
秋風に初雁がねぞ聞こゆなるたがたまづさをかけて来つらむ
わがかどにいなおほせ鳥の鳴くなべに今朝吹く風に雁は来にけり