古典和歌stream
表題
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古今和歌集
ひぐらしの鳴きつるなべに日はくれぬ
と思ふは山の影にぞありける
歌の意味
ひぐらしが鳴き始めると暗くなり日が暮れたと思ったのは、山の影に入ったからだった。
鑑賞
巻第四 秋歌上
蝉のひぐらしが鳴き始めて暗くなったので、秋の日は短くもう日が暮れてきたのかと思ったが暗くなったのは山の影にはいったからだったという情景を詠んだ歌である。「ひぐらし」に「日暮れ」を連想している。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
秋の野に人松虫のこゑすなり我かとゆきていざとぶらはむ
もみぢ葉の散りてつもれる我が宿に誰を松虫ここら鳴くらむ
ひぐらしの鳴く山里のゆふぐれは風よりほかにとふ人もなし
待つ人にあらぬ物から初雁の今朝鳴くこゑのめづらしき哉