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表題
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竹取物語
名残なく燃ゆとしりせば皮衣
思ひの外にをきて見ましを
歌の意味
跡かたもなく燃えると知っていたなら、火にくべたりしないで見ていたものを(にせものとは知りもしないので、心配し火にくべてみたのです。)
鑑賞
右大臣阿倍の御主人がかぐや姫との結婚の条件だった『火鼠の皮衣』を持参したが、本物かどうかは分からない。本物の『火鼠の皮衣』ならば決して燃えないはずだから確かめるために実際に火にくべたら、めらめらと燃えてしまった。
この歌は「限りなき思ひに焼けぬ皮衣袂かはきて今日こそは着め」に対する、かぐや姫の返歌。
作者
出典
竹取物語
その他の歌
いたづらに身はなしつとも玉の枝を手折らで更に帰らざらまし
限りなき思ひに焼けぬ皮衣袂かはきて今日こそは着め
呉竹の世世の竹取野山にもさやは侘びしきふしをのみ見し
わが袂今日かはければ侘しさの千種の数も忘られぬべし