- 歌の意味
- たとえ君よ、あなたが昔、玉座に着いておられたところで、こんなお姿(死者)になられた以上、それがなんになりましょう。そういう現世の執着を忘れ去って成仏なさいませ。
- 鑑賞
- 巻一 白峰
死後、魔王のように振舞う崇徳院に対して仏心に立ち返ることを願い西行が詠んだ歌。
死者にとって現世の栄光も権力の座も何の役にもたたない無縁のものだという歌の意味。西行はもちろんこのような意味で歌ったのだが、この歌の表現自体は次のようにまったく異なった受け取り方ができる。
「たとえ君よ、あなたが昔占めておられた地上最高の玉座でさえも、こんな凄まじい魔力を得られた今となっては何者でもないでしょう」
- 作者
- 上田 秋成
- 出典
- 雨月物語