- 歌の意味
- 時節を知らない山は富士山だ。今をいつと思ってか子鹿の背の白い模様のようにまだらに白く雪を降り積もらせているのだろう。
- 鑑賞
- 九 から衣
東下りの物語の一話。
ある男が自分の身をこの世には不要なものと思い込んで京を離れ東国に住む場所を探すために友としている人を一人二人を連れ立って旅に出た。
歌は旅の途中、駿河の国(現在の静岡県)で富士山を見て詠んでいる。
作中では富士山の大きさを比叡山を二十ぐらい積み重ねたと表現しているが、実際は四、五倍程度である。
旅の一行は武蔵、下つ総の国(現在の関東四県)に辿りつく。
- 作者
- 出典
- 伊勢物語