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名にし負はばいざこととはむ都鳥
わが思ふ人はありやなしやと

歌の意味
都という名をほんとうにその身にもっているならば、都鳥よ、たずねよう。私が思いつづけている愛しい人は都で暮らしているのかいないのかと。
鑑賞
九 から衣

東下りの物語の一話。
ある男が自分の身をこの世には不要なものと思い込んで京を離れ東国に住む場所を探すために友としている人を一人二人を連れ立って旅に出た。
隅田川までたどり着いた。一行は川で魚をとって食べている見たこともない白い鳥のことを川の船渡しの船頭にたずねると「これこそが、都鳥です」と答える。
住み慣れた都を遠く離れた国で、都鳥と聞いて詠んだ歌。
作者
出典
伊勢物語

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