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から衣きつつなれにしつましあれば
はるばるきぬるたびをしぞ思ふ

歌の意味
唐風の着物は着続けていると柔らかく身に馴染んでしまう。その着物のように親しみあって離れがたい妻が都には住んでいて、都を離れて遠くまで来てしまった旅路の遠さをしみじみとやるせなく思う。
鑑賞
九 から衣

東下りの物語の一話。
ある男が自分の身をこの世には不要なものと思い込んで京を離れ東国に住む場所を探すために友としている人を一人二人を連れ立って旅に出た。
歌は旅の途中、三河の国の八橋(現在の愛知県知立市)で弁当を食べた時、沢に咲いた『かきつばた』の花を見て、一人が『かきつばた』の五字を五七五七七の頭において旅情を詠めというので、決められた文字を一字ずつ頭において、いわゆる「折句」として詠んだ。


作者
出典
伊勢物語

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