古典和歌stream
表題
-
伊勢物語
いとどしく過ぎゆくかたの恋しきに
うらやましくもかへる浪かな
歌の意味
日がたつにつれ、遠くはなれてゆく京が恋しい折に、寄せては返す波が帰ることはない自分にはうらやましく思える。
鑑賞
七 かへる浪かな
ある男が、京都に住むのがつらくなって、東国に行った。
伊勢と尾張の国境あたりの海岸を通って行くときに、波が白く立つのを見て詠んだ歌。
住みづらくなって離れたものの、耐えがたい旅愁や未練に心をさいなまれる都人の感情が表されてる。
作者
出典
伊勢物語
その他の歌
人知れぬわが通ひ路の関守はよひよひごとにうちも寝ななむ
白玉かなにぞと人の問いし時露と答へて消えなましものを
信濃なる浅間の嶽にたつ煙をちこち人の見やはとがめぬ
から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ