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大幣と名にこそたてれ流れても
つひに寄る瀬はありというものを

歌の意味
だれからも求められる大幣のだと有名になっているが、川に流された大幣も最後には寄りつく浅瀬があるものだ。
鑑賞
四十七 大幣の

ある男がなんとかして愛人にしたいと思う女がいた。しかし女はこの男が誠意のない浮気者であると評判を聞いて、次第につれない態度を取るようになる。
歌は女の「大幣の引く手あまたになりぬれば思へどえこそ頼まざりけれ」に対する男の返歌。

女の突き放すような態度の歌を受けて、男は浮気性という噂が流れても結局は女をたよりにしているという意味が込められている。
男にとっては真摯な思いかもしれないが、女たらしの口説き文句にも取れる。
作者
出典
伊勢物語

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