古典和歌stream
表題
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伊勢物語
風吹けばとはに浪こす岩なれや
わが衣手のかわく時なき
歌の意味
風が吹くので、いつまでも浪に越えられる岩なのでしょうか。私の袖はいつも涙に濡れて乾くときがありません。
鑑賞
百八 風吹けば 歌は女が男の無情を恨んで詠んだ。 風が吹くと立つ波は男のうつろいやすい気持ちのことだろう。女は自身を海の岩にたとえて、いつまでも涙が乾かないという意味である。
出典
伊勢物語
その他の歌
あさみこそ袖はひづらめ涙河 身さへながると聞かばたのまむ
かずかずに思ひ思はずとひがたみ 身をしる雨はふりぞまされる
宵ごとにかはづのあまたなく田には 水こそまされ雨は降らねど
花よりも人こそあだになりにけれ いづれをさきに恋ひむとか見し