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花よりも人こそあだになりにけれ
いづれをさきに恋ひむとか見し

歌の意味
花よりも先に人がはかなくなってしまった。花と人、どちらを先に失って恋しいと追慕すると見ただろうか。
鑑賞
百九 人こそあだに

 ある男が愛する妻をなくした友人に詠んで贈った。

 歌は散る桜よりも早く愛する人を亡くすとは思いもしなかったでしょうにという意味で詠まれている。
 人の死と散る桜によせる心情を並べて、人の世の無常が表されている。

 『古今集』哀傷に紀茂行の歌として収録されている。
作者
出典
伊勢物語

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