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思ひあまり出でにし魂のあるならむ
夜ふかく見えば魂むすびせよ

歌の意味
私があなたを思うあまり、私の体をぬけ出してあなたの所へ行った魂があるのだろう。深夜の夢に見えたなら私の魂を結びとめるおまじないをして下さい。
鑑賞
百十 思ひあまり

 ある男が人目をしのんで通う女がいた。その女のところから「今晩、私の夢にあなたがお見えになりました。」と言ってきた。
 歌は男が女の言葉を受けて詠んだ。

 この男女の恋は人目を忍ぶだけに、深く切ないものなのだろう。昔の人は一心に思いつめると魂が相手のところへ行き、夢に現れるといった。
作者
出典
伊勢物語

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