古典和歌stream
表題
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古今和歌集
ふるさととなりにならのみやこにも
色はかはらず花はさきけり
歌の意味
旧都となってしまった奈良の都にも花だけは変わらずに咲いたことだ。
鑑賞
巻第二 春歌下 奈良の帝が詠まれた歌。 都であったころの繁栄はなくなり、寂しく変わり果ててしまっても花だけは昔のままの色で咲いている。平安京に遷都後も奈良に住まわれた帝であるから平城京への思いは、ひとしお深いものがあったのだろう。
出典
古今和歌集
その他の歌
春雨のふるは涙かさくら花 ちるををしまぬ人しなければ
さくら花ちりぬる風のなごりには 水なきそらに浪ぞたちける
花の色はかすみにこめて見せずとも かをだにぬすめ春の山かぜ
はなの木も今はほりうゑじ春たてば うつろふ色に人なりひけり