古典和歌stream
表題
-
古今和歌集
春雨のふるは涙かさくら花
ちるををしまぬ人しなければ
歌の意味
春雨がしとしとと降っているのは人の泣く涙だろうか。桜の花が散るのを惜しまない人はいないのであるから。
鑑賞
巻第二 春歌下
桜の花が散るのを惜しんだ人が泣いた涙を春雨と見立てて詠んでいる。または春雨が桜の花を散らすので人が泣くのか。
他本には、仁和中将の御息所の家にて歌合せの時に呼んだ歌とある。
作者
大伴くろぬし
出典
古今和歌集
その他の歌
雪とのみふるだにあるをさくら花いかにちれとか風の吹くらむ
山たかみみつつわがこしさくら花風は心にまかすべらなり
さくら花ちりぬる風のなごりには水なきそらに浪ぞたちける
ふるさととなりにならのみやこにも色はかはらず花はさきけり