古典和歌stream
表題
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古今和歌集
春ごとに花のさかりはありなめど
あひ見む事はいのちなりけり
歌の意味
春になるごとに美しい花の盛りはきっとあるだろうけど、その花の盛りを見るということは私の命があってのことだ。
鑑賞
巻第二 春歌下
春になると咲き誇る花を愛でて、喜ぶことができるのは命あってこそと、自分の生の実感が詠まれている。
春は何度も巡ってくるが、人生は次第に衰えて行く。老いか病か死を感じ取ることが作者自身にあったのだろうか。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
いざけふは春の山辺にまじりなむくれなばなげの花のかげかは
いつまでか野辺に心のあくがれむ花しちらずは千世もへぬべし
花のごと世のつねならばすぐしてし昔は又もかへりきなまし
吹く風にあつらへつくる物ならばこのひともとはよぎよといはまし