古典和歌stream
表題
-
古今和歌集
さく花は千くさながらにあだなれど
たれかははるをうらみはてたる
歌の意味
美しく咲く花は種類も多く、どれも儚く移り気なものだが、いったい誰が儚い花を咲かせる春を怨みきってしまったであろうか。
鑑賞
巻第二 春歌下
寛平の御時の后宮で歌合に番(つが)われた歌。
春になると咲く花々はそれぞれに儚く散ってしまって、惜しんだり残念に思ったり気持ちが落ち着かないが、それでも花を咲かせる春の訪れを皆、楽しみにしているという意味で詠まれている。
作者
藤原おきかぜ
出典
古今和歌集
その他の歌
吹く風にあつらへつくる物ならばこのひともとはよぎよといはまし
まつ人もこぬ物ゆゑにうぐひすのなきつける花ををりてけるかな
春霞色のちくさに見えつるはたなびく山の花のかげかも
霞立つ春の山べはとほけれど吹きくる風は花のかぞする