古典和歌stream
表題
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古今和歌集
よそに見てかへらむ人にふぢの花
はひまつれよえだはをるとも
歌の意味
藤の花よ、よそよそしく花だけを見て帰る人にまつわりつけ。たとえ枝が折れようとも
鑑賞
巻第二 春歌下
志賀から帰ってきた女たちが、花山寺に入って藤の花のところに立ち寄って、そのまま帰ってしまったので詠んで贈った歌。
住職に挨拶もせずに藤の花だけ見て帰ってしまう女たちを非難するというよりは呆れているような趣旨だろう。藤の枝にまつわりつけと、真実味はないが着想のおもしろさとユーモアが感じられる。
作者
僧正遍昭
出典
古今和歌集
その他の歌
やどりして春の山辺にねたる夜は夢の内にも花ぞちりける
吹く風と谷の水としなかりせばみ山がくれの花を見ましや
わがやどにさける藤波たちかへりすぎがてにのみ人の見るらむ
今もかもさきにほふらむ橘のこじまのさきの山吹の花