古典和歌stream
表題
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古今和歌集
やどりして春の山辺にねたる夜は
夢の内にも花ぞちりける
歌の意味
宿をとって春の山のほとりに泊まった夜は、夢の中でも花が散っていた。
鑑賞
巻第二 春歌下
山寺に参詣したときに呼んだ歌。
昼間見た散る花がよほど印象的だったのだろうか、夢の中で散る花というのは幻想的な情景である。「春の山辺にねたる夜」がいっそう鮮明にしている。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
その他の歌
あづさゆみはるの山辺をこえくれば道もさりあへず花ぞちりける
春ののにわかなつまむとこし物をちりかふ花にみちはまどひぬ
吹く風と谷の水としなかりせばみ山がくれの花を見ましや
よそに見てかへらむ人にふぢの花はひまつれよえだはをるとも