古典和歌stream
表題
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古今和歌集
思ひいづるときはの山の郭公
唐紅のふりいでてぞなく
歌の意味
昔のことを思い出すときに、常盤山のほととぎすは声をふりしぼって鳴くことだ。
鑑賞
巻第三 夏歌
ほととぎすが山で鳴くのを詠んでいるが、技巧のために詠まれた情景だろう。
「ときは」は常盤山との掛詞である。
「唐紅の」は「ふりいで」に掛かる序詞で、「ふりいづ」は染色の際に紅を水に振り出して染める意味。ほととぎすが血を吐いて鳴くという表現だろう。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
郭公なくこゑきけばわかれにしふるさとさへぞこひしかりける
ほととぎすながなくさとのあまたあれば猶うとましく思ふ物から
声はして涙は見えぬ郭公わが衣手のひづをからなむ
あしびきの山郭公をりはへてたれかまさるとねをのみぞなく