古典和歌stream
表題
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古今和歌集
今さらに山へかへるな郭公
こゑのかぎりはわがやどになけ
歌の意味
いったん出てきたのに、今さら山へ帰るな、ほととぎすよ。声のつづく限り私の家で鳴いてくれよ。
鑑賞
巻第三 夏歌 待ちに待ったほととぎすが盛んに鳴いているが、季節がすぎると山へ帰っていくので、いつまでも自分の家にとどめて鳴き声を聞きたいと詠んでいる。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
声はして涙は見えぬ郭公 わが衣手のひづをからなむ
あしびきの山郭公をりはへて たれかまさるとねをのみぞなく
やよやまて山郭公事づてむ 我世の中にすみわびぬとよ
五月雨に物思ひをれば郭公 夜ふかくなきていづちゆくなむ