古典和歌stream
表題
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古今和歌集
物ごとに秋ぞ悲しきもみぢつつ
うつろひ行くをかぎりと思へば
歌の意味
何事につけても秋は悲しい季節だ。草木が色づいて美しくなるがそれが終わりなると思われるから。
鑑賞
巻第四 秋歌上 木々が美しく色づいてあざやかな紅葉を見せた後、だんだんと散っていく様子に終わりの寂しさ、悲しさが詠まれている。移ろい行くものは季節だけでなく様々な終わりを悲しんでいるようにも思える。 「もみぢつつ」は秋になって草木が色づく意味の「もみづ」に「つつ」が続いたもの。 「かぎり」は限界、極みの意味。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
おほかたの秋くるからにわが身こそ かなしき物と思ひしりぬれ
わがためにくる秋にしもあらなくに 虫の音きけばまづぞかなしき
ひとり寝るとこは草ばにあらねども 秋くるよひはつゆけかりけり
いつはとは時はわかねど秋の夜ぞ 物思ふことのかぎりなりける