古典和歌stream
表題
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古今和歌集
わがためにくる秋にしもあらなくに
虫の音きけばまづぞかなしき
歌の意味
私のためだけに来る秋でもないのに、虫の鳴き声を聞くとすぐに哀しくなってしまう。
鑑賞
巻第四 秋歌上
「おほかたの秋くるからにわが身こそかなしき物と思ひしりぬれ」と同様に秋の到来を詠んでいる。
虫の鳴き声を聞くと哀しい気持ちになり、私を悲しくさせるためだけに秋がやって来たと思い込みたくなったのだろう。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
このまよりもりくる月の影見れば心づくしの秋はきにけり
おほかたの秋くるからにわが身こそかなしき物と思ひしりぬれ
物ごとに秋ぞ悲しきもみぢつつうつろひ行くをかぎりと思へば
ひとり寝るとこは草ばにあらねども秋くるよひはつゆけかりけり