古典和歌stream
表題
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古今和歌集
いとはやも鳴きぬる雁か白露の
いろどる木々も紅葉あへなくに
歌の意味
何とも早々と鳴いた雁であることか。まだ白露が彩る木々も十分に紅葉せずにいるのに。
鑑賞
巻第四 秋歌上
まだ木々も紅葉しきれていないのに、ずいぶんと早く雁が鳴いたものだと詠んでいる。不意に秋を訪れを知らせる雁がやってきたことで気付いたのだろうか。
「あへなくに」は「敢えぬに」で「敢ふ」はできるの意味。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
秋風に初雁がねぞ聞こゆなるたがたまづさをかけて来つらむ
わがかどにいなおほせ鳥の鳴くなべに今朝吹く風に雁は来にけり
春霞かすみていにし雁がねは今ぞ鳴くなる秋霧の上に
夜を寒み衣かりがねなくなべに萩の下葉も移ろいにけり