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春霞かすみていにし雁がねは
今ぞ鳴くなる秋霧の上に

歌の意味
春霞の中に飛び去った雁が今、秋の霧の上で鳴いていることだ。
鑑賞
巻第四 秋歌上

 秋になると北から飛来して越冬し、春になると北へ飛び去って行く雁を、春と秋、霞と霧の対比で詠まれている。
 古今和歌集ではよみ人知らずの歌として収録されているが、『古今著聞集』、『西行上人談抄』では紀貫之(友則?)の歌として逸話が書かれている。秋の時期の歌合せで貫之が「春霞…」と詠み始めると他の人から季節が違うと嘲笑うが下の句まで詠み終えると見事な展開に皆、感動したという。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集

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