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誰が秋にあらぬものゆゑ女郎花
なぞ色にいでてまだきうつろふ

歌の意味
秋は誰のものでもなく、すべてに訪れるのにオミナエシよ、まだその時期でもないのに、どうして色褪せてしまうのか。
鑑賞
巻第四 秋歌上  朱雀院の女郎花合わせに詠んで奉った歌。  オミナエシの花が他の花よりも早くに枯れ色に移ろうのを嘆いているような歌だが、「秋」には「飽き」の意味が掛けられ、「うつろふ」も花が色あせるという意味と心が移ろうの二重の意味があり、恋愛にたいする女の心変わりの早さを男の視点で詠んでいる。  「なぞ」は何故、どうしての意味。  「まだき」は早くも、まだその時期ではないの意味。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
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