古典和歌stream
表題
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古今和歌集
神な月時雨もいまだふらなくに
かねてうつろふ神奈備のもり
歌の意味
十月の時雨もまだ降らないに、それに先立って色づく神奈備の森よ
鑑賞
巻第五 秋歌下
神奈備(かんなび)は神道で神が鎮座するまたは隠れ住む場所として山や森を指す。この歌では崇拝の対象となる神聖な森の木々が紅葉していく様子が詠まれている。
神無月は旧暦では十月で俳句の季語でも初冬になるが、紅葉を優先してか秋歌に分類されている。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集
その他の歌
紅葉せぬときはの山は吹く風の音にや秋を聞きわたるらむ
霧立ちて雁ぞ鳴くなる片岡の朝の原は紅葉しぬらむ
ちはやぶる神なび山のもみぢばに思ひはかけじ移ろふものを
おなじ枝をわきて木の葉をうつろふは西こそ秋のはじめなりけれ