古典和歌stream
表題
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古今和歌集
おなじ枝をわきて木の葉をうつろふは
西こそ秋のはじめなりけれ
歌の意味
同じ一本の木の枝なのに西から木の葉が色が変わるのは西こそ秋の始めであることだ。
鑑賞
巻第五 秋歌下
清和天皇の御代、綾綺殿(りょうきでん)の前に梅の木が西方に伸びていた枝が紅葉しはじめたのを殿上人たちが詠んだのをついでに詠んだ歌。
五行思想では東が春、南が夏、西が秋、北が冬となり、梅の木が西の方の枝から紅葉が始まった理由を五行思想から着想を得て秋が西からやって来たからという意味になる。
作者
藤原勝臣
出典
古今和歌集
その他の歌
神な月時雨もいまだふらなくにかねてうつろふ神奈備のもり
ちはやぶる神なび山のもみぢばに思ひはかけじ移ろふものを
秋風のふきにし日よりおとは山峰のこずゑも色づきにけり
白露の色はひとつをいかにして秋の木の葉を千々にそむらむ