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たがための錦なればか秋霧の
佐保の山辺をたち隠すらむ

歌の意味
誰かのための錦であるので、秋の霧は立ち込めて佐保の山一帯を隠すのか。
鑑賞
巻第五 秋歌下

 大和の国に行ったとき佐保山に霧が立ち込めていたのを見て詠んだ歌。

 佐保山の紅葉を見たいと思っていたが、霧が立ち込めて全く見えない。それを佐保姫が誰かのために特別に織った錦なので隠しているのだろうという意味で詠んでいる。
 佐保姫は春の女神で染め物や機織(はたおり)を司る。この歌では紅葉を佐保姫の織った錦に見立てている。

 佐保山は現在の奈良県佐保町あたりの山。
作者
紀とものり
出典
古今和歌集

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