古典和歌stream
表題
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古今和歌集
佐保山のははその色はうすけれど
秋は深くもなりにけるかな
歌の意味
佐保山の「ははそ」の色は薄いけれど秋は深くなってしまったことだ。
鑑賞
巻第五 秋歌下
秋の歌として詠んだ歌。
柞(ははそ)はコナラの別称でクヌギ、ミズナラも含めていたようだ。柞は紅葉すると黄色くなる。色が赤くなるもみぢに比べると色が薄いという印象を受ける。この歌では色が「薄い」と秋が「深い」を対比させている。
佐保山は現在の奈良県佐保町あたりの山。
作者の坂上是則は三十六歌仙の一人で、九二四年に従五位下、加賀介となった。
作者
坂上是則
出典
古今和歌集
その他の歌
散らねどもかねてぞ惜しきもみぢ葉は今は限りの色とみつれば
たがための錦なればか秋霧の佐保の山辺をたち隠すらむ
うゑしうゑば秋なき時や咲かざらむ花こそ散らめ根さへ枯れめや
久方の雲のうへにて見る菊は天つ星とぞあやまたれける