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うゑしうゑば秋なき時や咲かざらむ
花こそ散らめ根さへ枯れめや

歌の意味
しっかりと植えたならば秋が来ると咲くだろう。花こそ散るとしても根まで枯れることはない。
鑑賞
巻第五 秋歌下

 ある人の前庭に植えた菊に結び付けた歌。

 「秋なき時や咲かざらむ」を現代語に役すると、秋が無い時は咲かないだろうが、になる。秋が無い年は無いので毎年咲くの意味になる。また「根さへ枯れめや」も反語で花が散っても根さえ枯れなければ、また花が咲くという意味で、上の句の「うゑしうゑば」は同じ動詞を反復することで強調し、しっかりと植えればという意味か。
 「ある人」は作者にとって特別な関係の人だとすると、その人に対する自分の誠意が変わらない事を言外に伝えているのだろう。

 この歌は「伊勢物語」、「大和物語」にも収録されている。
作者
在原業平朝臣
出典
古今和歌集

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