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刈れる田におふるひつぢの穂にいでぬは
世を今更にあきはてぬとか

歌の意味
稲を刈った田に生える「ひつち」が穂を出さないのは世の中に今更と飽きてしまったということか。
鑑賞
巻第五 秋歌下

 「ひつぢ」は稲を刈り取った株から生える新芽のことで「ひこばえ」ともいう。
 「あきはてぬ」は秋果てぬと飽き果てぬを掛けて、作者の心情を稲が刈られた田の風景に合わせて詠んでいる。「穂にいでぬ」は古典では表に現れる、人目につくなどの意味もあるので、作者が人に認めらずに諦観の中にいるような印象を受ける。
作者
よみ人しらず
出典
古今和歌集

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