古典和歌stream
表題
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古今和歌集
山田もる秋のかりいほに置く露は
いなほせ鳥の涙なりけり
歌の意味
山の田の番をする仮庵に置く露は稲負鳥(いなおおせどり)の涙であったことだ。
鑑賞
巻第五 秋歌下
是貞親王家の歌合せに番われた歌。
山の田んぼを動物の害から守るために作った仮小屋があるので稲負鳥が流す涙が仮小屋に降りる露であったと気づくという意味で詠まれている。
稲負鳥(いなおおせどり)は古今伝授の三鳥の一つで実体は不明。
作者
みぶのただみね
出典
古今和歌集
その他の歌
風吹けば落つるもみぢば水きよみ散らぬ影さへ底に見えつつ
立ちとまり見てを渡らむもみぢ葉は雨とふるとも水はまさらじ
穂にもいでぬ山田をもると藤衣稲葉の露にぬれぬ日ぞなき
刈れる田におふるひつぢの穂にいでぬは世を今更にあきはてぬとか