古典和歌stream
表題
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古今和歌集
年ごとにもみぢば流す竜田河
みなとや秋のとまりなるらむ
歌の意味
毎年、紅葉を流す竜田川の河口は秋の行く着くところなのだろう。
鑑賞
巻第五 秋歌下 秋が終わるという趣意を竜田川に思いをはせて詠んだ歌。 秋を象徴する紅葉が竜田川を流れて最後に辿り着く河口が秋の終わりなのだろうと観念的な印象の歌である。 「みなと」は水門(みなと)のことで河口を指す。「とまり」は止まり、留まりのことで終着点、果ての意味がある。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
その他の歌
もみぢ葉は袖にこき入れてもていでなむ 秋は限りと見む人のため
み山より落ちくる水の色見てぞ 秋は限りと思ひ知りぬる
ゆふづく夜をぐらの山に鳴く鹿の こゑのうちにや秋はくるらむ
道知らばたづねもゆかむもみぢ葉を ぬさと手向けて秋はいにけり