古典和歌stream
表題
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古今和歌集
ゆふづく夜をぐらの山に鳴く鹿の
こゑのうちにや秋はくるらむ
歌の意味
夕月夜の小倉山で鳴く鹿の声の中で秋が暮れてゆくのであろうか。
鑑賞
巻第五 秋歌下
九月末日(つごもりの日)に大井で詠んだ歌。
ゆふづく夜は夕月夜で夕方の西の空に見えるかすかな月の意味である。一日の終わりの夕暮れの時間帯に秋の終わりを重ねて詠んでいる。
「大井」は現在の京都市西京区の嵐山の近くでで、「小倉山」はその近くを流れる大堰川の左岸にある山のこと。
作者
紀貫之
出典
古今和歌集
その他の歌
み山より落ちくる水の色見てぞ秋は限りと思ひ知りぬる
年ごとにもみぢば流す竜田河みなとや秋のとまりなるらむ
道知らばたづねもゆかむもみぢ葉をぬさと手向けて秋はいにけり
竜田河錦おりかく神無月しぐれの雨をたてぬきにして